ビートルズのプロデビュー期から現在までの歴史、偉業


ビートルズがプロのバンドとして活動を開始したのは、1960年8月のハンブルク巡業からです。
メンバーのポール・マッカートニーがビートルズ解散を公にしたのが1970年4月のことですから、実質的な活動期間は9年8ヶ月だったことになります。

この機関はひとつの音楽グループの寿命としては決して短くはありません。
しかし、彼らの成し遂げた数々の偉業を検証してみれば、その歩みが驚くほど遠く、その時間が極めて濃密なものであったことがわかります。

ビートルズは2年間の下積み時代を経て、1962年10月にイギリスでレコード・デビューを果たし、早くも63年には国内で熱狂的な人気を獲得します。
その勢いのまま64年にはアメリカで大旋風を巻き起こし、日本でもレコード・デビューします。
そして映画「ハード・デイズ・ナイト」の公開やワールド・ツアーにより、西欧世界全体を未曾有の狂乱に巻き込み、人類史上比類なき世界的アイドルになったのです。

その後、66年にはライブ活動を停止し、レコーディング活動に専念。
様々な音楽革命を成し遂げると同時に、60年代後半のラブ&ピースを掲げた若者の時代を象徴し牽引する存在ともなったのです。


あれから50年たった2010年、バンドとしての実体を持つビートルズが解散してからでも、すでに40年をこえる時間が流れています。
しかも、メンバーのジョン・レノンは1980年に、ジョージ・ハリスンは2001年にすでにこの世を去っており、遺されたメンバーは、ポールとリンゴ・スターのふたりだけになっています。

ですがこの50年間、ビートルズの様々な「新譜」は絶えることなく発売され続け、いまも現役のトップ・ミュージシャンに匹敵する売れ行きを続けています。

2014年、アメリカと日本では、ビートルズがメジャーデビューして50周年を迎えたことを記念して、1960年代にそれぞれの国で発売されていた独自編集のアルバムが廃盤扱いの封印を解かれ、CD化されボックスセットとして発売されました。
同じく公開50周年を迎えた映画「ハード・デイズ・ナイト」も新たな仕様で再発売されます。

ポールとリンゴは、現役で世界ツアーを続けており、ビートルズ伝説の一端を体験することは今も可能です。
その一方で、当時ビートルズに熱狂した世代は、すでに還暦を迎えはじめています。

そのため、現在のビートルズの人気を支えているのは、解散以降にビートルズを聴きはじめた第2世代、さらには第一世代・第二世代の子供である第三世代に移行しています。
つまり、ビートルズ新時代とは、ビートルズを同時代に体験していない世代が、ビートルズをいかに聴き、いかに表現し、評価し、伝承していくのかが問われるという意味での新しい時代なのです。
それは言葉をかえて言えば、ビートルズという存在や音楽が、本格的に歴史的に検証され再評価されていく時代に入ったということでもあります。


1960年代、ビートルズの音はアナログ録音され、ビニール盤に記録され、レコード針を通じて再生された音で世界中の人々に聴かれていました。
また、ビートルズはレコーディングにあたって、1968年の「ザ・ビートルズ」までは、あくまでもモノラル録音の完成度に心血を注いでいました。

技術革新が進み、デジタル録音が主流となるなか、アナログ録音されていたビートルズの音も、87年にデジタル化され、初期の4枚はモノラルの、それ以降はステレオのCDで流通するようになりました。
当初の技術的な限界もあって、しだいにアナログ時代の音の良さ、とりわけモノラルの音の素晴らしさが見直されるようになっていたのです。

こうしたなか、2009年にはビートルズが創り出し多アナログ時代の音に近づけることをコンセプトに、最新技術を駆使したデジタル・リマステアーCDがステレオとモノラルの両方で発売され、なかでもステレオ盤が現在のビートルズの標準的な音とされるに至っています。
もちろんそれはビートルズがめざしたオリジナルの音とは微妙に異なるため、当時のアナログ盤への関心が高まるという現象も起きています。

現在も有名無名を問わず、芸術分野でもあらゆるジャンルでビートルズをテーマにした作品が発売され続けています。
そこからもビートルズが現代文化全般に与えているパワーを感じることができます。

映画や文学などの分野でも多くの名作が生まれています。
枚挙に遑はないですが、日本文学に限っても、古くは芥川賞候補になった「きみの鳥はうたえる」をはじめ、近年の村上春樹の「イエスタディ」など、ビートルズの曲をモチーフにした名作は多くあります。
このように、今後も、音を文章で表現するような、あるいは名曲にインスパイアされた新たな創作文学が生まれてくることでしょう。


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