日本の水道水の安全性とは、水道水は飲めるのか


かつて日本は豊富できれいな水に恵まれた国で、水道水は手を加えずにそのまま飲めました。
ところが1960年代高度成長以降、都市部への人口集中や工業化の進行に伴う工場や家庭からの排水が増え、河川や湖沼などの水源は汚染されました。
汚染された原水をそのまま取水し、浄化するには限界があります。
塩素消毒などによるカルキ臭などが発生するようになり、問題になっています。
水道水は、必ずしも安全でおいしい飲み水とはいえなくなっているのが現状です。
では、日本の飲み水の実際は、どうなっているのでしょうか。

まず、水道水源の種別は、日本水道協会によると、下記のようになっています。

・ダム:39.6%
・河川水:30.8%
・深井戸:14.1%
・浅井戸:7.3%
・伏流水:3.8%
・湖沼水:1.4%
・その他:3.0%

年間取水量168.2億m3のうち、ダムからが一番多く、次いで河川水が続いています。

降雨、降雪がダムや河川に流れ、浄水場で浄水処理が行われ、一般家庭に配水されていきます。

水質のよくない下流域から取水している大都市圏では、浄水場で浄化・殺菌しなければ、飲料水とはなりません。


通常の浄化方法には「急速ろ過方式」と「緩速ろ過方式」があります。

急速ろ過方式とは、
・沈砂池で、原水中の大きな粒子を沈殿させる
・前塩素処理として塩素を注入する。これにより、アンモニア、マンガン、有機物を分解する
・原水の濁りを沈めやすくするために、「凝集材」を投入する
・沈殿池で、原水の濁りを沈殿させる
・急速ろ過池で、濁りを沈殿させた原水をろ過する
・ろ過した水に、再び塩素を注入して消毒する

緩速ろ過方式とは、
・薬品は、一切使用しない
・緩速ろ過池で、ゆるいスピードでろ過する。

そのため、原水の質がよいことと、広い面積のろ過池があることが要求されます。

戦後、米国仕込みの技術の急速ろ過が主に行われていましたが、さらに、原水の汚れが著しく、有害な微量科学物質などを除去するため、「高度浄水処理」を通常の浄水処理に追加して行う浄水場が増えてきました。


なお、水道水中に含有されているトリハロメタンは、消毒に使用する塩素と川の水にある有機物が反応してできるものです。
発ガン作用をもっていることが疑われています。

そのため、水質基準値は、人間が生涯にわたって水を飲んでも影響を生じない水準をもとに定められています。

東京の水道水に含まれるトリハロメタンの量は、低減に効果のある高度浄水処理などにより、常に水質基準値以下であり、安全といえます。

また、トリハロメタンは、水道水を2~3分沸騰させると、ほとんどいなくなります。

東京都東部の江戸川から取水している都の金町浄水場は、カビ臭対策として、1984年度から全国に先駆けて、粉末活性炭処理の実験を行いました。
その上で、1992年度からオゾンと生物活性炭を使用した高度処理施設を導入しました。
現在、52万m3/日の浄水能力があるそうです。

東京都では、1999年に三郷浄水場に高度浄水処理施設が完成したほか、現在、朝露浄水場、三園浄水場の両浄水場でも建設中です。

全国的には、水質のよくない淀川水系から取水している大阪府営水道なども、高度浄水施設を導入しています。

以上のとおり、日本の大都市圏では、高度浄水処理が主流になってきたようですが、緩速ろ過が見直されるときがやってきそうです。
現に、最近では、急速ろ過が主流の米国でも、緩速ろ過が再評価され始めているのです。


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