米の自由化とは、そのメリットとこれからの米農家はどうなるか


1995年、それまで50年あまり続いた食糧管理法が廃止され、食糧法に引き継がれました。
これにより政府が米の生産・流通・価格・消費まで全てを管理する食管法の時代から、米の流通規制は大幅に緩和されました。

それまで、生産した米は、政府に売る以外、スーパーや米穀店に並べるルートがありませんでした。
しかし農家や農業団体は、「自主流通計画」を届け出ることによって、政府を介さずに米を売ることができるようになり、この「自主流通米」が市場の中心となったのです。
さらに、こうした計画流通米に加えて、計画外流通米も認められました。
数量などを届け出れば、農家直売などの方法で自由に米を販売できるようになりました。

その後、自主流通米価格形成センターによる入札取引という制約を持つ自主流通米に比べ、価格設定なども自由な計画外流通米のシェアが上昇。
そのtめ2004年には、さらに流通を自由化する、食糧法の大幅な改正が行われました。

その主な内容は下記のようになっています。

・計画流通制度を廃止し、計画外流通米もスーパーや米穀店で販売できる。

・自主流通米価格形成センターを廃止。
コメ価格センターを設置し、産地や銘柄、取引量などにより価格を決めることができる。

・年間20トン以上あつかう販売業者であれば、届け出により米の販売が自由にできる。

この改正により、従来の計画流通・計画外流通米という区分は無くなり、米の流通は、備蓄などのために政府が買い入れる「政府米」と民間の業者が価格を決める「民間流通米」だけになりました。


また作る自由にかかわる改正も行われました。
政府による減反面積の割当をやめ各農家や産地のJAなどで生産量を決定する、というものです。

流通や生産の自由化の目的は、農家の競争力強化を図ることにあります。
実際、ブランド力や付加価値を持ち、高く売れる米を生産できれば、収入も生産量も増やすことができます。
一方で、かつての食管法の時代のように米を作っていれば安心とはいかなくなっています。
それは今後、農家からの撤退が増えることにつながります。


米の生産、流通の管理をめぐる一連の政策の転換は、そのまま稲作農家の働き方と生活スタイルを形作ってきました。
さらに2009年9月からの民主党政権の誕生で、農業政策も大きく変わろうとしています。
自民党政権では生産調整により米の作付を制限して、価格維持と稲作農家の保護を目指してきましたが、約3割の農家が生産調整に参加しておらず、米の供給は過剰で価格の下落を止められませんでした。

農林水産省が2010年度より実施予定の個別所得補償制のモデル事業は、生産数量目標に従って生産する農家に対し、全国一律で主食用米の作付面積10aあたり1万5千円を支払うというものです。
これは人件費を含む農作物の販売コストと販売金額の差額を補填する所得補償制度です。

また水田を利用した転作には、小麦・大豆・飼料米など作物ごとに一定の金額が支払われるようになります。
小麦や大豆など食料自給率の低い作物への転作を奨励することによって、自給率向上の方向へ政策転換しようとしています。

しかし一方ほかの農家に土地を貸して耕作をやめたり縮小していた農家が、所得補填を目当てに土地の返上を求めるケースが増えるという問題も浮上しています。
これは耕作に積極的な農家が経営規模を拡大する妨げになっています。

40年近く続いてきた減反にいる米価維持から、農家所得の直接補填へと政策が変わるこれからの動向を注意深く見守る必要があるでしょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です