産業廃棄物の不法投棄の原因、なぜ起こるか、なぜなくならないか


年々、不法投棄に対する規制・取締りは厳しくなっています。
ところが、不法投棄は一向に減少する気配がありません。
規制や取締りが厳しくなっているのに、なぜ不法投棄は発生し、減少しないのでしょうか。

不法投棄が発生する仕組みですが、まず、発生した廃棄物は最終的には「埋め立て」「リサイクル」のどちらかに分かれます。

・埋め立て
現在、最終処分場の残余年数は数年しかもたない、それこそ逼迫した状況といえます。
最終処分場がなくなれば、廃棄物は行き場所がなくなってしまいます。
最終処分場は貴重な存在なのです。
貴重なだけに、最終処分場に埋め立てる費用も高いものとなります。
ここに不法投棄がなくならない原因のひとつがあります。

リサイクル
現在、すべてのリサイクル品に対して必ずしも需要があるというわけではありません。
たとえば、リサイクルされた固形燃料は、形成までに選別など細かな作業工程が必要になってきます。
そのため、どうしても人件費や作業費、管理費が嵩み、既存の燃料などに比べると価格が高くなる傾向にあります。
「高いので売れない、そしてさらに高くなる」という悪循環の繰り返しのために、リサイクルでの廃棄物処理費用が高騰していく場合もあります。


企業は営利を目的とし、当然できるだけ多くの利益を得る経営活動を行っています。
その中で、廃棄物は、コストのかかるやっかいものといえます。
廃棄の手間も面倒だと思っている企業が多いでしょう。

しかし、そのような考えの排出事業者の一部が、コスト削減という発想から自ら不法投棄を行ったり、産廃事業者が多くの利益を得るために排出事業者の目をごまかして、不法投棄を行ったりするのです。
不法投棄が発生する背景には、こうした考え方があることも認識しておく必要があります。

どんな業界でも「よりよく、より安く、より早く、より正確に」といった言葉があります。
しかし、すべてを満足させることは、なかなか難しいものです。
「早く正確に」と言われた場合、正確さを期するためには必ずチェックが必要で、「早く」ということに逆行します。
そこで、両方が満足いくバランスをどこで取るかが大事になってくるのです。

産業廃棄物処理にも同じようなことが言えます。
より安くにこだわり過ぎる危険性を認識しないといけません。

廃棄物処理の最終責任は排出事業者にあります。
産廃事業者の選定は、コスト面だけではなく、慎重に厳しく行う必要があるわけです。


産業廃棄物処理で必ず登場してくるのが、委託契約書とマニフェストです。
マニフェストとは、すべての産業廃棄物処理に必要な書類で、7枚綴りの複写式の伝票のことを言います。
この7枚綴りの伝票を排出事業者、収集運搬事業者、処理事業者が、廃棄物処理の過程でチェックしていくことになります。

排出事業者の中には、「廃棄物処理の時はマニフェストさえ発行すればよい」「今回の場合は公共の仕事だから、マニフェストを発行しなければならない」などと考えている人もいますが、それは間違いです。

廃棄物処理は排出事業者が責任を持って処理しなければならない、と法律で義務付けられています。
そこで、みずから処理することができない排出事業者は、処理を事業者にイラクすることになります。
しかし、廃棄物処理には責任が生じますので、委託する時には、書面にて事業者との間でしっかり制約を交わすことが必要になってきます。

その委託契約書には、「誰と誰が何をどれだけ委託するか」「廃棄物は最終的にどのように処理されていくのか」などを記載しなければなりません。
つまり、契約書を見れば廃棄物の流れ、各工程における委託事業者などがひと目でわかるようになっているのです。

契約が無事修了し、実際に廃棄物が発生した時に交付するのが、マニフェストです。
マニフェストには、廃棄物を管理する役割があります。


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