参政権とは、日本国憲法の選挙の基本原則を解説


参政権とは、国民が主権者として政治に参加する権利をいいます。

・選挙権の保障
15条1項は
「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定めています。

これは、選挙権を保障したものですが、すべての公務員を国民が直接選定罷免する権利を保障したものではありませんので注意してください。
公務員にもさまざまな種類がありますから、15条1項は、公務員の選定・罷免が究極的に国民の意思に基づくことを要求しているにすぎないという考え方です。

選挙権は、15条1項が保障する憲法上の基本権利であり、それには、下記の2つの権利が含まれています。
・選挙資格を得る権利
・実際に投票する権利

・立候補の自由
15条1項は立候補の自由の保障を含むとします。
立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあるためです。


選挙の基本原則

選挙の基本原則として、通常、「普通選挙」「平等選挙」「直接選挙」「秘密選挙」「自由選挙」が挙げられます。

・普通選挙
15条3項は「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する」と定めています。
この普通選挙とは、選挙資格の取得に、財力などによる制限を設けないことをいいます。

要するに、普通選挙というのは、選挙資格の平等を求める制度であり、制限選挙に対置するものです。

・平等選挙
平等選挙とは、複数投票製などの不平等選挙を否定し、投票を1人1票とするとともに、1票の重みの平等をも要請する制度です。
単に平等に選挙権を与えればよいのではなく、与えた選挙権の内容も平等であることを求めるものです。

・直接選挙
直接選挙というのは、国民が直接公務員を選出する制度です。
これに対置されるものとして、間接選挙と複選制があります。

間接選挙というのは、国民が当該選挙権を行使する選挙人を選ぶ制度であり、複選制というのは、既に選挙され公職にある者が、公務員を選挙する制度です。

・秘密選挙
秘密選挙というのは、公権力に対してはもちろん、私人間でも、誰に投票したかを知られないことをいいます。
15条4項前段が、明文で秘密選挙を保障しています。

・自由選挙
自由選挙というのは、投票するか否かを個人の自由意思に委ね、棄権しても制裁をしないとする制度です。


議員定数の不均衡

平等選挙において、投票の機会の平等だけではなく、投票価値の平等をも憲法は要請しています。

投票価値の格差が4.99対1にまで及んだ昭和47年の衆議院議員総選挙について、最高裁は、下記のように述べています。

・14条1項の定める法の下の平等は、投票の価値の平等も要求する

・定数配分については国会の裁量に委ねざるを得ないが、通常考慮できる諸般の要素を斟酌しても、その投票価値の不平等に合理性が認められない場合には、憲法違反となる。

・約5対1という格差は、選挙権の平等の要請に反する

・ただし、直ちに定数配分規定が違憲となるのではなく、格差の是正が合理的期間内に行われない場合に初めて違憲となります。
本件は、合理的期間内に是正されておらず違憲である。

・選挙を無効とすると、衆議院の活動に支障をきたし、配分規定の是正もできないという不当な結果を招きかねない。
そこで、行政事件訴訟法第31条に含まれる基本的な原則を採用し、違憲の配分規定の下で行われた違法な選挙と宣言するが、無効とはしない。


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