婚約と婚約不履行とは、婚約不履行の損害賠償について解説


婚約は婚姻予約ともいいます。
結構をしよう、という約束のことです。

むろん、ちゃんとした約束のことであって、バーで一見の客が酔っ払ったあげく「結構しよう!」と言った。
それだけのことで翌日、ホステスが現れて「さあ約束どおり結婚してよ!」と言っても、こんなのは婚約になりません。
社会通念上、まじめな約束とみなされるようなものではなくてはだめなのです。

とはいえ、婚約が成立するためには書類や手続きが必要なわけでもなく、特別な形式が要求されるものでもありません。
立会人や証人もいりません。
といっても後日「約束した覚えはない」と相手に言い張られた場合には証人や証拠がないと水掛け論になり、負けることもありますが、それは証拠の問題で別の話です。
婚約そのものは、2人だけの約束で成り立つのです。

「キミが大好きだ」と言ってコンパクトをくれた。
すごく嬉しくなってもう相手が結婚してくれるものと決め込み、言いなりになった娘がいたとしても、後で考えてみれば、大好きだの、プレゼントだのは、別に結婚の約束ではありません。
そこにやはり、結婚しようとか、一緒になろうよとか、結婚の約束とみられる意思表示行為がなければなりません。

逆にちゃんと約束が行われさえすればプレゼントなどなくても、婚約は立派に成立します。

ただし、婚約は本人同士の意思に基づくものでなくてはダメです。
「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と憲法にもあります。
したがって、その予約も、本人の合意によるものでないと、効力がないことになります。
親の決めたフィアンセなどというロマンチックなムードもありますが、これは現代日本の民法上の婚約者とはなりません。


さて、婚約成立となると、その効力はどうなのでしょうか。

無理して婚約指輪を買って、もはや婚約は完璧、と思っていても、相手の気が変わって、やっぱり結婚はイヤ、となれば、婚約というのは弱いもので、結婚を強制することはできません。
男がイヤだと言い出した場合も同じで、女性にとって、心身すべて捧げつくした後であろうと、子供までできた間であろうと、強制はできないのです。
結婚という身分行為は、あくまで本人の意思にのみ基づいて成立する、という法律の建前によるのであって、結婚の強制は人道にもとるという考えに基づいているのです。

では、婚約とはなんの足しになるのか。

これは結婚そのものは強制できないというだけあって、婚約はやはり法律上の約束です。
そうである以上守らなければいけません。
強制しないからといって、守らないでよいというのではありません。
守らないことは違法です。
つまり、婚約不履行や婚約破棄は、債務不履行として違法であるという法的評価を受けます。

なお、相手がすでに別の結婚をしてしまった場合などは明確に損害賠償事件になりますが、そうでなく、不履行か否か、結婚に行き着くのかどうか、それ自体モヤモヤしているといった場合には、家庭裁判所の調停の問題にも当てはまります。


婚約不履行の損害賠償

婚約不履行は違法な行為であるため、相手に損害が発生しtが場合には、損害賠償義務が発生します。
婚約不履行による損害賠償としては、

・財産上の存在、例えば結納の費用、婚約パーティーの費用、無駄に買い込んだ衣類、調度品の代金の一部、その他の物質的損害

・精神的損害を金額に見積もった損害賠償、すなわち慰謝料

の2種類に分かれます。
そして、損害賠償にせよ、慰謝料にせよ、金銭を要求することになります。
精神問題を金で片付けるのはイヤだといっても、ほかに賠償を求める方法はありません。
お金がすべてではないのですが、現行法上は、損害賠償は金銭によるというのが民法の考え方です。
慰謝料も損害賠償の一種として金銭を請求することになります。


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