中国産冷凍餃子の農薬混入事件の内容と真相


2007年12月下旬から2008年1月にかけて、中国の天洋食品が製造した冷凍餃子は、JTフーズが輸入し、そして日本生活共同組合連合会などが販売しました。
その後、冷凍餃子を食べた千葉県千葉市、市川市、兵庫県高砂市の3家族が下痢や嘔吐などの中毒症状を訴える食中毒が発生しました。
このとき、市川市の女児が一次意識不明の重体となりました。
それを受けて千葉県と兵庫県の両県警が餃子を鑑定したところ、農薬として使われているメタミドホスなど有機リン系の殺虫剤が検出されました。
この結果、事件は日本中を震撼させ、中国との国際問題ともなり、食品の安全性が大きく問われる大事件となりました。

その後、警察がさらに詳細な鑑定を行った結果、検出された農薬は製品の材料に使われた農産物の残留農薬が原因となる汚染程度ではないことが判明しました。
その詳細な調査結果は下記のようになっています。

「12月28日に千葉の餃子から検出されたメタミドホスの濃度は130ppmでした。
メタミドホスの急性参照用量ARfDは0.01mgです。
これは、体重20kgの子供なら0.2mgであり、体重50kgの大人でも0.5mgです。
問題の130ppmの餃子を5~6個食べると75~90g食べたことになります。
これは、メタミドホスの総量として10~12mgに相当します。
つまり、問題の餃子はARfDの基準を大きく超え、子供なら60倍、大人なら24倍になるため、非常に危険な濃度だったのです。


次に、2008年2月11日、徳島で、冷凍餃子の包装の外側から微量の有機リン系殺虫剤「ジクロルボス」が検出されました。
販売店が防虫作業のために店内で「ジクロルボス」を含む薬剤を使用した可能性があったことを発表すると、中国国内の報道が急増しました。
しかし、その内容は「日本人は毒餃子が中国と無関係と認めた」という情報操作であり、2月15日には、天洋食品の工場長の言葉として「我々は最大の被害者だ」などと、事実とは異なる表現で報じられました。

2008年2月22日、警察庁は、中国公安部との情報交換会議で操作・鑑定の結果を提供しましたが、中国公安部側は「混入の可能性は日中双方にある」と応じ、日本国内での毒混入を示唆するとともに、「日本に対しえは鑑定結果を提供しない」と発言しました。
このような中国当局の対応により、中国の一部の消費者に対し、「天洋食品の餃子は問題ない」という認識が広がり、後に起きた中国国内での食中毒事件につながったといえます。
さらに、この時期に中国公安部は会見を開き、「実験の結果、ミタミドホスが袋の外側から内部へと浸透した」と発表しましたが、その後、この実験に使われた袋の一部に穴があいていたことが明らかにされています。

こうして日中の主張は平行線をたどり、中国の警察当局も捜査をいったん終了し、事件は真相が解明されないままになるかと思われました。
しかし、2008年8月6日に中毒事件が発覚した後、中国国内では日本に輸出する予定だった回収した天洋食品製の餃子が市販品として流通しました。
その横流し餃子を食べた中国人が中毒症状を起こしていたことが判明した結果、中国側の主張は退けられ、日本側の主張どおりである可能性が高くなりました。

そして、2010年3月26日、事件は急展開を迎えます。
中国から外務省に犯人逮捕の連絡があり、「天洋食品の従業員の1人がメタミドホスを工場内の清掃担当部署で入手して、注射器を使用し、ダンボールの上から、計3回注入した」というのです。


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