ガソリン価格が変動する理由とは、ガソリンはなぜ高騰したのか


世界的にガソリン価格が値上がりする現象が起きていました。
その原因となっているのは、原油価格の値上げです。
原油はこれまでも世界的な需要増を背景に高値で取引されてきましたが、2007年に入るとさらに高騰し、2008年の3月17日には一時1バレルあたり111.8ドルをつけ最高値を更新しました。

2001年の世界の石油の消費量は1日あたり7600万バレルで、その4年後には8200万バレルまで増加しています。
なかでも世界2位の消費国である中国は、2001年に500万バレルだった消費量が2005年には、その1.4倍の700万バレルまで増えています。

この現象は中国のみならず、経済成長が著しいほとんどの発展途上国に当てはまります。

これらの旺盛なエネルギー需要は、中東などの産油国の供給が世界の需要に追いついていないかのようにも見えますが、そこにはもうひとつ別の要因があります。

というのは、中東を含めて原油の産出量は世界的に増えており、必ずしも供給不足には陥っていません。
じつは、価格高騰の裏には「投機マネー」の影響があるのです。


世界の原油は主に中東、北アメリカ、北海の3つの地域で産出され、各国に供給されています。
このなかで、原油の取引価格の指標となっているのが北アメリカのWTIと呼ばれる、テキサス産の原油です。
このWTIが先物相場で活発な取引が行われていることで高騰しているのです。

先物取引とは目の前にある商品を受給関係に基づいて売買するのではなく、これから市場に供給される予定の商品について、事前に取引価格を決めて取引するビジネスです。
こうしておくと、実際に商品を売却する時、それがあらかじめ決めていた価格より値上がりをしていればその差額が利益となり、その反対に値下がりすれば、その分が損失となります。

たとえば、3月末に1バレル75ドルで購入する契約を結んだとします。
その後、1バレル90ドルに値上がりすれば15ドルの儲けとなり、逆に55ドルになれば20ドルの損失となるわけです。
このWTIが先物取引の銘柄としてアメリカのニューヨーク商業取引所に上場されているのです。

とはいえ、先物取引されるWTIの産出量がほかの産油国と比べて飛び抜けて多いというわけではありません。
それどころか一日あたりの産出量は40万バレル程度しかないのです。
これは世界の供給量である約8500万バレルからすると0.5パーセントにも満たないのです。


ところが、WTIの原油は先物相場として1日に何度も売買されることからその取引量が自然と膨れ上がってしまい、結果的に1日あたりの取引量が世界の供給量をはるかに上回る1日1億バレル以上となり、その影響力が増しているのです。

現在、このWTIの原油に石油関係者のみならず、投資家の投機マネーが大量に流れ込んでいるのです。

このように投機マネーが先物相場に流入してくる理由には現実の石油の需給を見極めるというよりも、近い将来、石油が値上がりしそうだ、という投資家の思惑が絡んでいます。

たとえば、それはアメリカと産油国のイランの対立だったり、2007年に起きたハリケーンがアメリカの石油精製所に大規模な被害を及ぼし、生産量に深刻な影響が出たことなどが挙げられます。

さらに、この流入に拍車をかけているのが、アメリカに端を発するサブプライムローン問題です。
これをきっかけに世界中で株式相場が下落したため、株式に代わる投資先として石油が選ばれたというのもあります。
いわば、このような投資家の思惑がガソリンや灯油の高騰を引き起こしているといえるのです。


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