コンティンジェンシー理論とは、意味と組織の研究を解説







コンティンジェンシー理論とは「どの企業にもあてはまる最適な組織構造は存在せず、組織の環境と構造との適合関係によって異なる」といった認識で、1960年以降に研究された理論を言います。

この理論をもとに「環境変化に対して組織はどうか」という研究が行われました。

「環境」には二つの意味があります。

一つ目は、政治、経済、文化、社会などの一般環境のことです。

もう一つは、製造・流通・プロモーション・原材料やサービスの供給にかかわる、企業、ディーラー、顧客などのタスク環境のことを指します。

イギリスの社会学者であるバーンズと、心理学者であるStalkerは、イギリスにおいてエレクトロニクス分野へ参入した事業組織を対象に研究を行いました。
その結果、環境が安定しており規制や命令にしたがって行動することが優先される場合は「機械的組織」が有効であり、環境が非常に不安定な場合には柔軟な「有機的組織」が有効であるということを発見しました。


「機械的組織」と「有機的組織」の違いは下記のようになっています。


・組織構造:機械的組織は「官僚的組織」。有機的組織は「非官僚的組織」。
・リーダーシップ:機械的組織は上司から命令や支持が出る。有機的組織は上司は支援や、相談にのる。
・コミュニケーション:機械的組織は権限と責任に厳格な規定がある。有機的組織は水平的な相互作用によって流動的に調整する。
・権限:機械的組織は集権。有機的組織は分権。
・情報:機械的組織は上位へ集中。有機的組織は組織内へ分散。
・組織に適した環境:機械的組織は技術革新など市場動向が穏やかで顧客のニーズが固定している安定した環境。有機的組織は技術革新などを含め変化の激しい市場や顧客ニーズが多様化している環境。


この研究では、技術革新などを含め変化の激しい市場や顧客ニーズが多様化している環境については、組織に属する各個人が自発的に判断し行動する「有機的組織」が求められることが分かりました。
そしてその場合、状況に応じて望ましいリーダーシップのスタイルが異なるということも分かりました。

また、この研究によって、外部変化が穏やかな環境ならピラミッド構造を持つ「機械的組織」がむいているということも分かっています。
すなわち、官僚制組織の否定は誤りであり、有効な場合があるということです。


その他の研究では、
米国のハーバードビジネススクールの教授であるローレンスとローシュは、ある程度の規模をもつ組織に着目しました。
ここでは、環境と組織形態、異なる組織形態の構成員のものの見方や考え方と、外部環境の要求によって組織間で協力について研究されました。
その結果、課業環境の不確実性が高い組織は、同じ企業内でも組織形態が違いました。
また、2人の研究によって、不確実性の高い環境の中、部門間の分化の程度が高く、部門間の活動や意志決定を調整し統合できている企業ほど、いい業績を出していることが分かりました。

イギリスの大学教員であるウッドワードは、イギリスの製造業の生産システムと組織について、技術進歩の順に、「単品・小規模バッチ生産」「大規模バッチ・大量生産」「装置生産」の3つに分類し、研究しました。
ウッドワードはそれらの研究から、「同じ生産システムの企業は同じような組織形態であり、技術が異なる企業では組織も異なる」こと、そして「生産システムと組織が合っていた企業は、高業績を上げている」ことを発見しました。

なお、コンティンジェンシー理論にも問題点があります。
それは、外部環境の影響に対して、個人や各組織の試行錯誤や相違工夫によって改善された部分の分析はなく、すでにある組織の状況である事実の分析のみで研究されたということです。


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