腸の病気一覧と症状、治療方法の解説


急性腸炎

急性腸炎は悪心、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などを主要症候とする腸の急性炎症の総称です。
原因としては、腸への細菌またはウイルス感染がもっとも多いですが、寄生虫、寒冷刺激、食物アレルギー、抗生物質などの薬物によることもあります。
治療は原因によりますが、食事療法、腹部の保温、輸液などは共通して行われる処置です。
急性胃炎と同様に、比較的治癒の早い疾患のため、厳しい食事制限をおこなっても栄養低下を招く心配はありません。

過敏性大腸症候群

器質的な異常を認めないのに、便秘、下痢、腹痛、腹部膨張などが持続します。
腸疾患のうち頻度がきわめて高く、胃腸症状を訴えるものの30~60%が本症であるといわれます。
女性に多い腸の病気です。
原因は、神経症的素質や自律神経の不安定な素地のうえに、冷たい飲み物を飲むなどの食事性因子、心理的因子、薬物性因子が加わって起こると考えられます。
治療としては、精神療法、食事療法、薬物療法などがありますが、下剤は原則として用いません。
長期にわたる慢性的な下痢や腹痛を伴うため、体力の消耗を防ぐためにも、腸に刺激を与えない食品をバランス良く組み合わせ栄養補給に心がけます。


潰瘍性大腸炎

主として粘膜をおかし、しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびまん性非特異性炎症で、粘膜面の病変です。
症状は、血便または膿状便を伴う下痢と左下腹部痛が特徴で、長期にわたって再発と寛解を繰り返します。
治療の中心は薬物療法で、栄養療法は補助的なものと考えられます。
食事の基本は高エネルギー、高たんぱく、高ビタミン、低脂肪ですが、牛乳は、症状を悪化させる場合があるので注意が必要です。

クローン病

小腸にも、大腸にもみられる腸壁全層にわたる慢性炎症で、進行すると強い繊維化を伴います。
病変部位にもより、症状は多彩で、発熱、腹痛、下痢などが主なものです。
下痢は中等度で肉眼的出血を伴いません。
腸閉塞などの外科的治療を必要とする合併症がおきやすくなっています。
治療は潰瘍性大腸炎にほぼ準じますが、完全寛解は難しくなっています。


大腸がん

小腸の悪性腫瘍は他の消化管の部位に比べてはるかに少ないですが、大腸がんによる死亡率は食道がんよりも高くなっています。
大腸がんを部位別に見ると、直腸がんがもっとも多く、次いでS状結腸が多くなっています。
症状としては、腹痛、便通異常、便意の異常、血便、体重減少、貧血などが主なものです。
診断は、X線検査、内視鏡検査および生検によって行われます。
大腸がんになる危険因子としては、高脂肪食、低繊維食であり、胆汁酸が腸内細菌によって変化を受けて生成したデオキシコール酸、リトコール酸が発ガンに関係すると考えられています。

便秘

便秘は糞便が長時間長官内にとどまり、水分が吸収されて排便に困難を伴う状態をいいますが、排便回数は個人差が大きいので、腹痛、腹部膨張感などの不快感に伴う場合をいいます。
便秘は、痙攣性便秘と弛緩性便秘に分類されます。
痙攣性便秘は、感動、不安などの精神的興奮や、旅行、転任などの場合に見られ、自律神経系の異常によるものと考えられます。
弛緩性便秘は、加齢、全身衰弱、身体運動不足、腹圧の減退などの結果、大腸の運動と緊張がともに低下する場合にみられます。
弛緩性便秘では、食事療法として、できるだけ腸粘膜に物理的・化学的刺激を与え、自然排便を促します。


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